外壁を塗り替える際に悩むのが色選びです。美しい外観にしようと思っても、いざ選ぼうとすると、センスはともかくとして、1色?2色?それ以上のコンビネーション?など、悩みはつきません。そんな方のために、外壁塗装の色選びのポイントについてご紹介します。

 

外壁塗装の色選びのポイント

外壁を自分の好きな色で塗れば住み心地のよい家になる…というわけではありません。外壁のカラーセレクションには、押さえるべきポイントがあります。

 

2つの同系色で塗装

数ある色の中から、系統の近い2色を選んで外壁に塗る方法です。たとえば「青緑と青」、「黄色と黄緑」などがこの同系色に当たります。同系色で外壁を塗装すると、配色をうまくまとめられるでしょう。

 

最大でも3

あれもこれもという感じで色を選んでも、周囲から浮いて見えてしまいます。色数が増えると、雰囲気をまとめることができなくなるからです。3色を選ぶ場合、全体の70%程度に使用する「ベースカラー」、25%程度に使用する「アソートカラー」、そして残りの5%ほどの面積に使用する「アクセントカラー」という感じで考えると、色選びがうまくいきます。

 

色を分離させてバランスをとる

好きな2色を選んで塗りたいのに、どうにもバランスが悪い…このような場合は、もう1色選んで、2色の間に入れるとバランスよく見せられる場合があります。3つめのカラーがボーダーとなることで、配色のコントラストを調整してくれるのです。同系色の場合は、配色にメリハリをつけてくれますし、逆に差の大きい色の組み合わせでは、ソフトに見えるようになります。この役割にふさわしいのは、白や黒、灰色などの無彩色と、低彩度色です。

 

業者と一緒に考える

家のカラーコーディネートがどうしても決まらない場合は、塗装業者と一緒に考えてみましょう。これまでに数々の外壁や屋根を塗ってきた経験豊富な塗装業者は、塗装のお悩み相談には最適の相手です。ご近所や周辺の雰囲気、そして顧客の希望を考えたうえで、最適な組み合わせをいくつか提案してくれるでしょう。愛着のある家の塗り替えですから、悩むだけではなく、色選びもしっかり楽しみたいものです。楽しみながら色を選べれば、きっと仕上がりも満足いくものになるでしょう。

 

外壁塗装の色選びで注意すべき点

自分で色を決められたら、すぐに作業を依頼したくなるものですが、ちょっと待ってください。そのまま依頼してしまうと、失敗してしまうかもしれません。なぜでしょうか?ここからは、その「なぜ」について解説します。

 

パソコンで見るカラーと実際のカラーは異なる

外壁の色を選ぶ際は、多くの方がコンピュータを使うことと思います。最近はカラーシミュレーターを用意している塗装業者も増えてきていますが、実際に外壁に塗られたカラーを見ると、パソコンで見た色との違いにびっくりすることでしょう。これは主にディスプレイの違いによるものなのですが、なかなか実際のカラーをディスプレイ上で表すのは難しいため、「これはまだイメージで、実際の色は異なる」と考えておきましょう。

 

塗る色の面積によって印象も変わる

パソコンのディスプレイ同様、業者で見せてもらう色見本も、実際に塗ると印象は大きく異なる場合があります。色見本は小さな紙切れのようなものですが、実際にこの色が塗られる外壁はとても広いので、まったく印象が変わってしまうのです。これを「色の面積効果」と呼びます。

通常、色は塗られる面積が広がることで明度、彩度が上昇。明度が上昇すると、色は明るさが増しますが、薄く見えるようになり、彩度が上昇すると色はあざやかに見えるようになります。色相も、色の面積が広がると影響を受ける要素のひとつです。面積が広がることで、色相が強調されます。

日光のあふれる屋外で写真を見る場合と、室内の蛍光灯の下では、同じ色でもまったく見え方が異なることを私たちは知っています。業者に依頼する場合は、大きめの色見本を用意してもらい、晴れた日の外壁に当てて、その色の雰囲気をかならず確認しましょう。

塗料によっては、色見本のカラーに対応していない場合があります。もしも塗料にこだわりがあるのであれば、業者にその旨を伝えておくとよいでしょう。

 

外壁の汚れを目立たせない色選び

外壁塗装は、外観をよく見せることだけではなく、建物を保護する目的で行います。多少の汚れが付着しても塗装が保護してくれるので、外壁そのものや、建物の内部にダメージが及ぶことはありませんが、経年により劣化すると塗装は本来持つ能力を発揮できなくなっていくので塗り替えなければなりません。どうせ塗り替えるのですから、自分が好きな色に塗り替えるという考え方もありますが、実用面を考えるなら、汚れの目立たない色という選択肢もあるのではないでしょうか。

 

外壁が汚れる原因

 

大気汚染

外壁はどうしても汚れてしまいます。その原因の多くは大気汚染です。排気ガス、PM2.5、土埃などが外壁に付着して汚れとなります。

 

カビやコケ

カビやコケは湿気を原因とする汚れです。特に日光のあまり当たらない外壁に繁殖しやすいので注意しましょう。カビやコケの発生は、外壁の塗り替えサインのひとつです。放置せずに速やかに対処する必要があります。

 

換気扇や排気口

換気扇や排気口の周辺は、油汚れが付着しやすい場所です。定期的にクリーニングしないと取り除けなくなるので注意しましょう。

 

サッシ

サッシ周辺の汚れは、シーリング材の劣化が原因の可能性があります。シーリング材が劣化し、ひび割れるなどの症状が出ている場合は、水分が外壁材の中にまで浸透してしまう可能性があるのですぐに対処しましょう。

それでは、このような汚れが目立ちやすい場所に最適な色は何色なのでしょうか?

 

汚れがあまり目立たない色

 

グレー

外壁の汚れがあまり目立たない色としてよく選ばれているのは「グレー」です。街を歩いていてグレーの家が目につくのはそのためです。

グレーは、ほとんどの汚れと同じ系統の中間色なので汚れを目立たせません。

 

そのほかの色

グレーはあまり好みではないという方はご安心ください。グレーのほかにも汚れをカモフラージュしてくれるカラーはあります。ベージュやライトブラウンといった系統の色は、汚れのカモフラージュに最適です。また、意外なところではアイボリーも比較的汚れを目立たなくしてくれます。

これらは明るさも備えたカラーなので、家の外観を重々しく見せることはありません。外壁塗装の際には、選択肢として考えるべきカラーです。

 

汚れが目立ちやすい色

逆に汚れが目立ってしまう色もあります。こちらは皆様もすぐに思い浮かべられると思います。白と黒です。

白と黒などの原色は、汚れが付着すると、そのコントラストが明確になってしまうために汚れがはっきり目立ちます。そのため、あまり外壁にはおすすめできません。これらの色を外壁に塗る場合は、自浄作用を持つ機能性塗料を使用したほうがよいでしょう。

 

まとめ

外壁塗装の色選びで重要なポイントについて紹介してきました。実際の外壁のカラーは、コンピュータ上でのシミュレーションや、色見本で見るものとはかなり異なります。好みのカラーリングが見つかったら、太陽の下で実際に外壁に当てて、その雰囲気を確認することが大切です。この記事でご紹介した内容を参考にして、塗り替えを楽しんでみてください。

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